2005年の薬事法改正により医薬品製造の全面外注化が可能になったことがCMO(医薬品製造受託)発展の契機でした。時を同じくして日本の製薬産業も選択と集中の時代を迎えます。新薬メーカーは画期的新薬、特にバイオ、抗体医薬の研究開発に経営資源を集中する一方、長期収載品を主とする医薬品の製造と製剤開発は外部委託するトレンドとなりました。CMOは製造を請け負うだけでなく、国内医薬品の安定供給と製造技術を担う重要な位置づけになり、昨今は製剤開発(Development)のDを略称に取り入れてCDMOと称することが多くなっています。
そのような背景のもと「CMO産業の健全な発展は国内医薬品の安定供給と日本の医薬品製造の国際的競争力強化につながる」との理念を掲げ、2010年11月に有志18社で日本CMO協会を設立しました。
さらに、医薬品開発の高度化・スピード化、バイオ医薬品の拡大、製造プロセスの複雑化などを背景に、開発段階から製造までを一貫して支援するCDMO(医薬品開発製造受託機関)の重要性が高まる中、会員企業が担う機能と社会的役割をより正確に示す名称へと改めることが最適であると判断し、2026年5月に日本CDMO協会に名称を変更いたしました。
当協会は、企業の第一線で活躍する皆さんが運営する委員会活動をベースに、人材育成、品質向上、技術向上、委受託業務に関わるガイドラインの整備など、私たちに製造を委託して頂く企業様に、よりご満足頂けるサービスをご提供し共存共栄が図れるよう、業界全体のレベルアップと宣伝活動を展開してまいりました。
その結果2026年4月現在、会員会社87社(正会員34社、準会員3社、賛助会員50社)となりました。正会員は医薬品製造受託を生業とする企業、賛助会員は製造設備・資材・エンジニアリング・ICTなど医薬品製造に欠かせない技術や情報を提供する企業です。日本CDMO協会として様々な分野で医薬品製造に関わる会員が一体となって理念の実現に向けて活動できる基盤ができるまでに成長することができました。ここに至るまで、多数の方々の情熱とご尽力、ご理解を頂きました。心より御礼申し上げます。
まずは活動基盤の強化です。委員会活動(技術・人材育成委員会、品質保証委員会、政策委員会、広報委員会)をより活発に展開して、サプライチェーンの核である委託企業様によりご満足頂けるサービスを提供できるように、コアとなる人材育成と品質、製剤技術のレベルアップを継続してまいります。
そして未開拓分野・技術の拡大です。抗がん剤やワクチン、抗体医薬等の新規モダリティー、固形剤の連続生産システム、海外展開など、より先進的なサービスを提供できるプラットフォームを整備したいと考えております。ただし、それには多大な投資(ヒト、モノ)が必要となります。政府機関や友誼団体である米国PBOA(Pharma & BioPharma Outsourcing Association)、既導入企業からの情報収集や協会内での勉強会を進めながら、参入意向のある会員企業への支援、当該領域を進めておられる協会未加入企業様に加盟頂ける環境の整備に努めてまいります。
国内の医薬品製造は新薬メーカー、ジェネリックメーカー、OTCメーカー、CDMOで構成されており、それぞれが役割を果たしながら協業して医薬品を安定供給しています。会員企業と製造を委託される企業様が手を取り合って共存共栄し医薬品産業の発展につなげていかなければなりません。当協会はその使命を果たすことで、今後とも国民の健康・安全と日本経済の活性化に貢献して参る覚悟です。皆様のより一層のご支援をお願い申し上げます。
2026年5月
